金融機関で働くのが怖くなって逃げ出した話
~会場到着~
聞いた事のあるホテルだったので、どんなもんかと思っていたのですが
実際に見てみると凄い
クソでかいタワーマンションのような風貌
施工費にいくら掛かったのか、考えるのすら恐ろしいレベルの建物
ドキドキする気持ちを抑えつつ 中へと進みます…
ホテルは一階で飯を食べるのが当たり前だと思っていた僕ですが、主催者はあろう事か僕ら内定者を高層エリアまでエレベーターで案内してくれたのです(確か30階くらいでした)
エレベーターから降り、部屋に入ると
そこにあったのは
パーティー会場でした
(あれ?俺ら内定者懇親会に来たよな?入る部屋間違えてないか?)
そう思い部屋の入口にあるプレートを確認
〈ナス信用金庫 内定者懇親会〉
間違いなくこの部屋だ
これはとんでもない場所に来てしまったと思いつつも、今までの貧乏生活では決して踏み入れる事が無かった富裕層領域に足を踏み入れた僕はかなり興奮しました
僕以外の内定者も
「すげぇ会場…」
「いくら掛かってんだろうね…」
このような感想を口にしていました
誰が見ても富裕層のパーティー会場なのだから当然です
そしていよいよ!!
主催者「内定者の皆さん、お待たせしました!皆様は厳しい選考を勝ち抜いて内定を掴み取ったのです!今日は先輩社員も多数参加しているので、いっぱい質問しつつ楽しんじゃって下さい!料理も美味しいので沢山食べてね!」
遂に内定者懇親会スタート
ビュッフェ形式なので、飯も酒も取り放題
だとしたら絶対元を取りたいと思うのが僕
開始と同時にコレでもかと酒を注ぎ、肉・魚料理を盛りまくりました
かなり食い意地を張ってましたが、それは他の内定者も同様
女子ですら結構な量を更に盛り盛りでした
席に着いて料理を実食すると
予想通りめちゃくちゃ美味しく、手が止まりません
(金持ちは日常的に こんな美味い物食えるなんて羨ましい)
と思っちゃいましたね
料理にガッツク僕に先輩社員(オッサン)が話しかけてきました
「ナス君は大学では何やってたの?」
「ナス君は入社したら何がやりたい?」
こういった定型文のような内容をひたすら聞いてくるのだ
質問に回答していっても、ちょっとしたら席替えで別の先輩社員が隣に座ってくるので
永遠に同じような質問が続きます
(ちなみに内定者は全員席を離されていたので、僕以外の内定者も先輩社員の質問地獄に苦しんでました)
最初の方は頑張っていたのですが、1時間経った頃には疲れ果ててしまいました
そんな時、隣に座ってくれたのがお爺ちゃん社員
この人が本当に素晴らしくて
「最近釣りにハマってる〜うんたらかんたら〜」
このような、仕事に全く関係ない話をめちゃくちゃ振ってくれるのだ
今まで定型文のクソ質問をぶつけられまくった僕にとって、お爺ちゃん社員は神様でした
しかし一方で、お爺ちゃんになっても働き続けなきゃいけない日本社会はおかしいと思いました
そして、、、懇親会は終了しました
懇親会が終わってからも
主催者「内定者の皆さんでグループLINEとか作って情報共有すると良いかもですね!強制はしないですけど!」
と言われたので、僕らは帰宅する前に内定者のグループLINEを作って全員加入しました
謎にテンション高い男が「皆さん、これからも仲良くしましょうね!僕は皆さんの事が今日一日で好きになりました!」
とかほざいてて、悪い奴ではないんだけど嫌われやすそうだなって思いました
帰り道、大都会東京から埼玉のクソ田舎に帰る電車の中で酔いが冷めました
飲み会で誤魔化されたけど
結構恐ろしい事言われなかった?
言われたよね?
内定蹴りを防ぐような誓約書を書かされたり、髪型注意されたり、勉強を強要されたり
あれ?
金融機関で働くのって恐ろしくね?
自宅に着く頃には完全に金融機関が怖くなりました
その後
メーカーの事務職の内定が同じタイミングで貰えていたので、そちらに就職する事にしました
信用金庫の方は
内定蹴り連絡を人事にし
加入したグループLINEを退会し
自宅に届いた山盛りのワーク集を捨てました
僕は金融機関から逃げ出しました
が
正しい判断をしたと思っています
金融機関で働いていなかったからこそ、今の僕があるのです(ロクな大人ではないですが)
ってわけでね!
覚悟が無い奴は金融機関で働きたいなんて思うな!入社する前から嫌になった俺が言うんだから間違いない!
ではまたノシ